土木一式工事(土木工事業)とは?
建設業許可29業種の中で、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事が「土木一式工事」です。
道路の新設、橋梁、ダム、トンネルなど、とび・土工、舗装、鋼構造物といった「複数の専門工事」をまとめ上げ、元請けとして全体をマネジメントする大規模なインフラ整備工事を指します。
該当する主な工事内容
何もない場所に新たなインフラを造り上げるような、大規模かつ総合的な工事が含まれます。
① 大規模な公共インフラ工事
複数の下請け業者(専門工事業者)を指揮・監督して造る工事です。
■ 道路新設工事
■ 橋梁建設工事
■ ダム・トンネル建設工事
② 大掛かりな造成・河川工事
地形そのものを整備・改修するような総合的な土木工事です。
■ 大規模な宅地造成工事
■ 河川改修・護岸工事
■ 公道の下水道本管埋設工事
他業種との境界線(よくある間違い)
土木一式工事において最も多く、かつ致命的な勘違いが「これを持っていれば土木関係の専門工事も何でもできる万能免許だ」という思い込みです。
(万能免許ではありません)
【各専門工事】 「500万円以上の舗装工事だけ」「500万円以上の解体工事だけ」を単独で請け負う場合、土木一式工事の許可を持っていても違法となります。該当する専門工事の許可が個別に必要です。
※「一式許可があるから500万円以上の舗装を単独で受けても大丈夫」は法律違反になります。
(工事の規模とマネジメント)
【とび・土工工事】 土の掘削、コンクリート打ち、足場組みなど、特定の専門的な作業のみを単独で行う工事。
※下請けとして現場に入り、土工事だけを行うような場合は「とび・土工工事」に分類されます。
許可を取るための要件(専任技術者)
許可取得には、以下の「資格」または「実務経験」を持つ技術者が営業所に常勤している必要があります。
A. 国家資格で満たす場合(抜粋)
■ 1級・2級 土木施工管理技士
■ 技術士(建設部門、農業部門 など)
※現場の職人資格である「技能士」では、土木一式工事の専任技術者にはなれません。
B. 実務経験で満たす場合
■ 10年以上の実務経験
(学歴不問。元請け等として、総合的に土木工作物を建設した実務経験のみで10年)
■ 指定学科卒業 + 実務経験(3年または5年)
(土木工学、都市工学、交通工学 などの学科)
許可取得で押さえるポイント(実務)
1)実務経験の証明が極めて厳しい
10年の実務経験で申請する場合、過去の書類に「〇〇駐車場舗装工事」や「〇〇側溝整備」等の専門的な作業のみが書かれていると、土木一式工事の経験としては一切認められません。「〇〇道路新設工事」「〇〇団地造成工事」など、総合的なマネジメントを行った「一式工事」であることが客観的にわかる発注書等が10年分必要になります。
2)自社に必要な許可は本当に「一式」か?
元請から「一式の許可を取って」と言われてご相談に来られるケースが多いですが、業務の実態をヒアリングすると「とび・土工工事」や「舗装工事」「しゅんせつ工事」が適切である(一式許可では実務上意味がない)ことが頻繁にあります。自社が単独で請け負う500万円以上の工事は何か、事前に専門家とすり合わせることが不可欠です。
申請の流れ(例)
1. 業種の整理(本当に土木一式が必要か、とび土工や舗装等ではないかの確認)
2. 技術者要件の確認(土木施工管理技士等の有無、一式の経験が証明できるか)
3. その他要件の確認(資金要件・欠格要件等)
4. 必要書類の収集・作成
5. 申請 → 補正 → 許可通知

