建築一式工事業解説ページ

建築一式工事(建築工事業)とは?

建設業許可29業種の中で、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事が「建築一式工事」です。
一戸建て住宅の新築工事や、マンション・ビルの大規模な建設・増改築など、大工、屋根、内装、管、電気などの「複数の専門工事」をまとめ上げ、元請けとして全体をマネジメントする工事を指します。

該当する主な工事内容

建物をゼロから造り上げる新築工事や、構造部分に手を入れるような大規模工事が含まれます。

① 建築物の新築・増改築工事

複数の下請け業者(専門工事業者)を指揮・監督して建物を造る工事です。
■ 一戸建て住宅の新築工事
■ マンションやビルの建設工事
■ 建築確認申請が必要となる規模の増改築工事

② 大規模な改修・リノベーション

建物の構造部(柱やはり)に及ぶような、大掛かりな改修工事です。
■ 建物のフルリノベーション工事
■ 躯体(構造)の補強や変更を伴う改修
■ 複数の専門工事が複雑に絡む大規模修繕

他業種との境界線(よくある間違い)

建築一式工事において最も多く、かつ致命的な勘違いが「これを持っていれば他の専門工事も何でもできる万能免許だ」という思い込みです。

専門工事(内装や屋根など)との違い
(万能免許ではありません)
【建築一式工事】 あくまで「複数の専門工事を総合的にマネジメントする工事」の許可です。

【各専門工事】 「500万円以上の内装工事だけ」「500万円以上の屋根工事だけ」を単独で請け負う場合、建築一式工事の許可を持っていても違法となります。該当する専門工事の許可が個別に必要です。

※「一式許可があるから500万円以上の内装工事を単独で受けても大丈夫」は法律違反になります。

大工工事・内装工事との違い
(リフォームの場合)
【建築一式工事】 柱や耐力壁などの構造部分からやり直す、複数業者が入る大規模なフルリフォーム。

【内装・大工工事】 クロスの張り替え、水回りの交換、間仕切り壁の変更など、構造部分に影響を与えない一般的なリフォーム。

※「リフォーム一式」という言葉を使っても、実態が内装メインであれば内装仕上工事に分類されます。

許可を取るための要件(専任技術者)

許可取得には、以下の「資格」または「実務経験」を持つ技術者が営業所に常勤している必要があります。

A. 国家資格で満たす場合(抜粋)

1級・2級 建築施工管理技士
1級・2級 建築士
※大工などの「技能士」の資格では、建築一式工事の専任技術者にはなれません。

B. 実務経験で満たす場合

10年以上の実務経験
(学歴不問。元請け等として、総合的に建物を建設した実務経験のみで10年)

指定学科卒業 + 実務経験(3年または5年)
(建築学、都市工学 などの学科)

許可取得で押さえるポイント(実務)

1)実務経験の証明が極めて厳しい

10年の実務経験で申請する場合、過去の書類に「〇〇邸 トイレ改修工事」や「〇〇アパート クロス張替」等の専門工事が書かれていると、建築一式工事の経験としては一切認められません。「〇〇邸 新築工事」「〇〇ビル 増築工事」など、総合的なマネジメントを行った「一式工事」であることが客観的にわかる契約書等が10年分必要になります。

2)自社に必要な許可は本当に「一式」か?

元請から「一式許可を取って」と言われてご相談に来られるケースが多いですが、業務の実態をヒアリングすると「内装仕上工事」や「大工工事」が適切である(一式許可では実務上意味がない)ことが頻繁にあります。自社が単独で請け負う500万円以上の工事は何か、事前に専門家とすり合わせることが不可欠です。

申請の流れ(例)

1. 業種の整理(本当に建築一式が必要か、内装や大工等ではないかの確認)
2. 技術者要件の確認(建築施工管理技士等の有無、一式の経験が証明できるか)
3. その他要件の確認(資金要件・欠格要件等)
4. 必要書類の収集・作成
5. 申請 → 補正 → 許可通知

ひまわり行政書士事務所

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