解体工事(解体工事業)とは?
建設業許可29業種の中で、工作物の解体を行う工事が「解体工事」です。
平成28年(2016年)に「とび・土工・コンクリート工事」から独立して新設された比較的新しい専門業種であり、空き家問題の増加や都市部の再開発に伴い、現在非常に需要と重要性が高まっている工事です。
該当する主な工事内容
建物そのものを取り壊す工事から、店舗退去時のスケルトン工事までが含まれます。
① 建築物の解体工事
住宅やビルなどの建物全体を取り壊す工事です。
■ 木造建築物の解体工事
■ 鉄骨造(S造)建築物の解体工事
■ 鉄筋コンクリート造(RC造)建築物の解体工事
② 工作物・内装の解体工事
建物以外の工作物や、建物内部のみを取り壊す工事です。
■ 店舗等の内装解体工事(スケルトン工事・原状回復など)
■ 煙突や鉄塔などの工作物解体工事
■ ブロック塀などの解体工事
他業種との境界線(よくある間違い)
解体工事で最も注意すべきなのは、「解体工事業登録」との違いと、新築や改修に伴う「他の専門工事」との区分けです。
(請負金額の制限)
【解体工事業登録】 建設業許可を持たない業者が、請負金額「500万円未満」の解体工事を行うための都道府県への登録制度。
※「登録」は少額の工事しかできません。500万円以上の解体を請け負うなら「建設業許可」が必須です。
(解体単独か、付帯工事か)
【他の専門工事】 リフォームのために既存の壁を壊す(内装工事の一部)、水道管を新設するために古い管を撤去する(管工事の一部)など。
※何かを新設・改修するプロセスの一部として行う解体は、それぞれの専門工事に含まれます。
許可を取るための要件(専任技術者)
解体工事は平成28年に新設されたため、資格要件のルールが非常に複雑です。「登録解体工事講習」の受講が必要になるケースがあります。
A. 国家資格で満たす場合(抜粋)
■ 1級・2級 解体工事施工管理技士(※そのまま要件を満たします)
■ 1級・2級 土木・建築施工管理技士(※平成27年度以前の合格者などは、別途「登録解体工事講習」の受講等が必要になる場合があります)
■ 1級 技能士(とび・とび工)
■ 2級 技能士(とび・とび工 + 解体工事の実務経験3年以上など)
B. 実務経験で満たす場合
■ 10年以上の実務経験
(学歴不問。建設業における解体工事の実務経験のみで10年)
■ 指定学科卒業 + 実務経験(3年または5年)
(土木工学、建築学 などの学科)
許可取得で押さえるポイント(実務)
1)実務経験の証明書類(工事名)の書き方
10年の実務経験で申請する場合、過去の書類に「〇〇改修工事」「〇〇撤去工事」と書かれていると、何を取り壊したのか分からず解体工事として認められない場合があります。「〇〇木造家屋解体工事」「〇〇店舗内装スケルトン解体工事」など、建物の解体であることが明確にわかる発注書や内訳書が必要です。
2)「とび・土工工事」の経験との振り替え
平成28年5月以前は、解体工事は「とび・土工工事」の中に含まれていました。そのため、昔から解体業を営んでいる場合、過去の「とび・土工工事」としての経験を「解体工事」の経験として計算できるルール(経過措置等)が存在します。経験年数の計算が非常に複雑になるため、事前の正確な経歴の洗い出しが重要です。
申請の流れ(例)
1. 業種の整理(リフォームの内装解体か、解体工事業かの確認)
2. 技術者要件の確認(講習受講の要否、10年の実績証明の可否)
3. その他要件の確認(資金要件・欠格要件等)
4. 必要書類の収集・作成
5. 申請 → 補正 → 許可通知

